倉本 信之 Kuramoto Nobuyuki

 

 NPO法人・ふれあいサポート館アトリエ/相馬絵画研究所
 中国・東北師範大学美術学部客員教授
 西蔵大学・内蒙古大学芸術学院客員教授
 チベット大学美術学部客員教授


悠久の民『チベット巡礼』展より

画歴・過去の作品から

『旅の画家 倉本 信之の世界』(自選画集への寄稿文より抜粋)

 旅を続ける画家倉本君が「旅はある意味で自分自身を発見するものだ。環境もまるっきり違い、言葉も通じない異境の地でぎりぎりに追い詰められて、本当の自分、裸の自己を見つけられるような気がする。」と云っている通り、彼にとって旅は厳しい自己確認なのである。そして、旅の成果を個展という形で更に確認しているのである。作品の中で特に異郷の少女を主とした人物像には心打たれる。そこには、対象に対する深い想いと自己探求の真髄に裏打ちされた心理描写と実在感が見られる。

 好奇心と探求心旺盛な彼は、その実行力も伴って更に国際的な行動を続けている。中国長春東北師範大学美術学部から客員教授として招聘されたり、内蒙古大学美術学院客員教授、チベット大学美術学部での講演などである。

 倉本君は初めから公募展を好まず、自己に忠実に個展やグループ展で発表してきたが、大自然の中で生き、子ども達の中で生き、世界を巡り歩く彼の生き方にとって最も適した方法であったと思う。

渡部 雄彦(宮城教育大学名誉教授)

あしあと

 

1940 福島県相馬市に生まれる
1962 武蔵野美大卒、京都で制作
1966 相馬絵画研究所創立
1968 アメリカ、ノースカロライナ、エリエットホール「The Reising NINE frome Japan」展に参加
1969 「油彩とシルクスクリーンによる」作品展
1973 「絵筆で豊かな人生」と福島民報紙に紹介される
「絵の中の子供たち」とNHK・TVで紹介される
1975〜 インドを中心にパキスタンからアジアハイウェーカイバール峠を越えて陸路ヨーロッパへ一人長旅をする
(その後10年に渡りインドを中心にアジア各地を旅する)
1978 個展「インドシルクロードを描く」
1982 馬陵城址岡田館跡にアトリエを開設
1985 インドを中心としたアジアの旅10年を機に個展「インドシルクロードを描く」
1986〜 キリストに因む故地イスラエルを中心にエジプトアラブ地方に長期取材の旅
1988 個展「聖地の風景」
1989 河北新報紙「論壇」(教育関係)一年間担当執筆
草柳大蔵氏とテレビ対談「自然流教育論」
1990 相馬を詠む古歌三十景岩崎敏夫先生指導の下、版画にする。河北新報紙連載
1991 スペイン、ポルトガル、アフリカを旅する
1992 斎藤研主催による「第一回現代の絵画展」出品以降続く
1993〜 中国シルクロードや内蒙古の奥地を旅する
1994 個展「シルクロードの天女たち」
教育文化功労賞、相馬市より授与
1995 個展「また・あした(朝)」一人の少女像を追う
JICA(国際協力機構)の招きでインドネシア、アンボン、セーラムなどの島々で子ども達を集め絵を描くコラボ楽しむ。ジャカルタにて発表
1996 インドネシアの島々アンボン、セーラム等に取材
中国長春師範大学美術学部より招聘。同大学客員教授となる
常陸宮殿下夫妻来相宿泊の折、自作「相馬行胤初陣の図」「相馬野馬追甲冑競馬の図」を宿泊先の部屋に飾る
1999〜 中国内蒙古大学美術学部客員教授となる
中国内蒙古よりチベットへの陸路長期取材の旅をする
以後チベット各地の遊牧民を訪ね歩き取材制作
2001 「自選画集出版」並びに作品展 晩翠画廊他
2002〜 チベット大学客員教授となる
斎藤研主催による「第一回新地ビエンナーレ展」出品、以降続く
2003 NPO法人 ふれあいサポート館アトリエ認証 理事長となる
「チベット巡礼展・Ⅰ」晩翠画廊他
2004 母校相馬高校にてOBアートリレー展参加
2005 「チベット巡礼展・Ⅱ」 安達太良高原美術館他
2008 博報児童振興教育振興会第39回博報賞(教育活性化部門)受賞
2010 「チベット巡礼展・Ⅲ」晩翠画廊他
住友生命保険相互会社第5回「未来を築く子育てプロジェクト」文部科学大臣賞・未来大賞受賞
2011 -3.11東日本大震災-
2013 画業50周年記念作品展 仙台、京都、飛騨
2015 「相馬絵画研究所」創立50周年記念イベント
2016 インドラダックへ長期取材の旅
2017 晩翠画廊20周年記念リレー展参加「チベット巡礼・Ⅳ」展
2018 「小品スケッチ展」 ギャラリー専
2020 相馬絵画研究所創立55周年記念「命の逆算」「相馬名勝三十景 倉本信之 手彩色木版画集」出版
現在に至る
2023 京都・法然院 作品展示予定