アムド・チベット東北部/カム地区・チベット東部/ラサ周辺

チベットの道とナンジャバウア峰

チベットの道は急峻な山々を削り取られて造られ、つづら折になっているところが多い。そのつづら道を曲がったところで神々しいナンジャバウア峰が顔を見せてくれた。

巡礼者を乗せたトラック

高原を走っていると、時々巡礼者を乗せたトラックに出会う。彼らは、地方の集落から一族こぞって、こうして高原の道を何日も何日もひた走りに走って巡礼に出る。みんな晴れ晴れとして陽気だ。

旅のお途中泊めていただいたテン

遊牧民のテントを遠くから見ると巨大な雲が地を這うように見える大人たちは、放牧に搾乳にと忙しい。子どもはテントに括り付けられていた。

遊牧民のテントの中

牧民のテントの中には一つのパターンがある。中央に神棚が設えられ釜場がある。その両脇は寝床であり作業場であり貯蔵の場でもある。
この写真は、搾乳した乳を撹拌しバターやチーズを造っている。

高原の食事

途中、遊牧民の食事に出会った。彼らは、そこいらから石を集めて釜を作り、そこかしこから乾いたヤク牛の糞を集めてきて火を焚き、水は川から汲んできて、たちどころに茶を炊き、その茶を天と地に捧げ感謝して食事となる。


遊牧の民の父と娘

高原を走っていたらたくさんの家畜(ヤク・山羊・羊・馬)を引き連れ移動している牧民に出会った。
彼らは夏の遊牧地から冬の遊牧地・我が家に移動(移牧)しているのだという。

高原に活仏がやってきた

走っていたら忽然と、大きなテントを中心にしてたくさんのテントが立ち並ぶ異様な景色に出会った。
高原に活仏がやってきた。近在の牧民たちが家族共々説教を聞きに訪れテント村ができる。
子坊主たちが私に小声で語りかけてきた。これも彼らの外に向かっての好奇心だろう。

温泉・源泉に祈る

アムド地方を走っていたら、山から流れる川筋の方々で湯煙をあげている温泉があった。多くの牧民たちがその川筋のそこかしこにたむろして湯治していた。
温泉もまた一つの信仰の場なのだ。源泉に五体投地で祈る牧民。

小さな活仏(生き仏)

旅の途中、一夜の宿を請い寺に泊めてもらった。その寺の主はこの聡明な少年だった。
少年は、外からの異邦人に大分興味を示し、私を寺の隅々まで案内してくれた。また、気安く自分のモデルにもなってくれたのだが…。
この活仏、数千人の信者を擁しその信仰の要となっている大活仏であることを後で知る。

静かな湖面に姿を映すポダラ宮

ポダラ宮はチベットの象徴であり最大の建造物。「ポダラ」とは“観音菩薩の住まうところ”の意。その、観音菩薩の化身・歴代ダライ・ラマはここに住まい、長きに渡って政治・宗教の中心を担ってきた。
今、その主ダライ・ラマ14世はインドに亡命中

ガンデン・甘丹寺とその僧たち

ガンデン寺はチベット三大寺の一つ。1959年以降中国の破壊活動を受け壊滅状態に破壊され、3,500人も居たとされる僧たちが多大な犠牲を被った。その痛々しさが今に残る。最近だいぶ修復されてきた。
朝の祈祷を終えて出てきた僧たち。

チベット最大の巡礼地・ジョカン寺・大昭寺

ラサの中心にある最も聖なる寺院・巡礼地。チベット全土からの巡礼者はここに詣でることを夢見ている。その白檀門は「五体投地礼」で祈る人々の絶えることはない。
寺院を取り巻く祈りの環状路ナンコル(内環)バルコル(外環・八廓街)がある。どちらも、コルラ(回周して祈ること)が絶えることがない。

五体投地礼で祈りながらコルラ 

ジョカンジを取り巻く環状路を五体投地でコルラする牧民。

ジョカン寺での語らい 

遠方からの巡礼者であろうか(服装でほぼ判る)。念願の巡礼地にようやくたどり着き安堵の語らいだろうか。

タルチョン・祈祷旗はためく巡礼地

海抜4,718メートルに位置する聖湖ナムツォ・納木湖。無数のタルチョンが紺碧の天空にはためき、強風に音を立ててたなびく。牧民の、祈りに捧げる並々ならぬエネルギーを感じさせる。

紺碧の天空、風の中の巡礼者

猛烈に風の吹く寒い日であったが、それにもめげず、たくさんの巡礼者が聖湖の周りをコルラしていた。