ラサから西チベットカイラス へ
チベット高原取材の旅で撮りましたスナップの中から、私の大好きな「チベット」をご理解いただけると思うような写真を何点かご紹介いたします。

ジョカン寺・大昭寺の祈り
大昭寺に詣でる。地方色豊かな民族衣装・チュバを着た多くの遊牧民が五体投地礼を繰り返し門前で祈りを捧げている。

不滅の灯明
大昭寺に詣でた方が祈る大きな大きな灯明室がある。そこに入るとムンとするバターの匂いと無数の灯明に圧倒される。
牧民は、次なるバターを注ぎ入れて祈る。

タンバ・ラプテン老師を訪ねる
チベット大学でお世話になっていた、チベットタンカ絵師の第一人者、タンバ・ラプテン老師・博士の自宅を久しぶりに訪ねる。

ヤムドク湖にて
エメラルド色の神秘的なヤムドク湖を通りかかったとき、多くの羊を屠っている異様な場面に遭遇する。近く行われる祭りに供されるのだという。
なぜか、一人の男が屠られる羊に水をあたえていた。”死に水”だろうか…。祈りの民である。

氷河迫るカロラ・峠
紺碧の空。宇宙を感じる。氷河が足元に迫る。
そこに暮らす遊牧民と話す。

峠の少女姉妹
牧民と話していたら、何処からかヤク牛を引いて可愛い姉妹が目の前に現れる。
瞳が深く、仲の良い姉妹だった。

最近訪れたカロ峠の風景
かつて、足元まであった氷河は山裾の上まれ後退し、土産物屋が店を並べて客引きをしていた。何と変わりよう。地球温暖化を見る。
アンモナイトの化石などが並んでいた。

ギャンツエの白居寺・パンコルキョルテン
途中、ギャンツエで立ち寄る。文革の破壊からかろうじて逃れたこの八層の巨大な塔・白居寺は、75もの部屋を擁し、多くの仏像やチベットの貴重な壁画などが残されており、ネパールのネワリ様式を受け継いだ15世紀当時のチベット芸術が保存されている。一見を進める。

路は果てしなく続く
そして、ギャンツェを通り西へ西へと旅は続く。過去には泣かされた渡河も度々だったが、最近は大分橋も架けられ時間も節約できるようになった。しかし、茫漠とした道は続く。

高原で出会う遊牧民
途中あちこちでヤク牛やヤギ羊を連れた遊牧民に出あう。
何処からきてどこに向かうのだろうか。

遊牧民の眼差しは深い
遊牧民の瞳は黒く眼差しは深い。何とか引き留めてモデルになってもらう。
私は虜になる。旅人の心を見透かしているようだ。

世界一高峰エヴェレスト(チベット名・チョモランマ)
途中ティンリから寄り道して世界一の高峰を見に行く。
ここは標高5,200メートルのベースキャンプ。ここからは自分たちの車は走れない。当地で用意された車に乗り込んで進む。

雲出るエヴェレスト
世界一の高峰8,850メートル。惜しげもなくお顔を見せてくれた!頂上と言わず、あちこちから雲が発生!雲出る世界一の高峰!

高原を行く巡礼家族
途中、カイラス巡礼の家族に出会う。皆さん屈託のない健康な笑顔であった。
リヤカーには所帯道具が積まれ、これで何カ月も野宿しながら巡礼の旅をするのだ

ナムナニ峯とタルチョン・祈祷旗
ナムナニ峰が遠方に見える。その峠には色とりどりのタルチョンが風に唸る。

ナムナニ峰の雄姿
標高7,694メートル。万年雪を冠った連峰が連なる。
ピュアな心になる!

峠のチョルテン・仏塔と夕映え
峠にあるチョルテン・仏塔。疲れた心を素晴らしい夕映えが迎えてくれた。へとへとに疲れた道行の身に突然降り注ぐ潤い!

湖上のチウゴンパ
もう目指す神山・カイラスは目前だ。
高原の澄んだ湖の上にあるチウゴンパに立ち寄リ宿を請う。

高原の顔
笑顔が何とも言えない親父さん、身も心も疲労困憊の自分を優しく迎え入れてくれた。超高原で心も体も包み込んでくれた高原の貌であった。

カイラス巡礼の通過点、タルボチェ
ここタルボチェは、チベット歴4月満月の日にお行われる「サカダワ」(お釈迦様の生誕と悟りと入滅を祝う)祭りが行われ、タルチョンはためく大柱が建てられる。
たくさんのマニ石(祈りが刻まれた石)があり祈祷旗がはためく。

早朝のカイラス
早朝、朝陽に静かに照らされたカイラスが目の前に浮かび上がる。なぜか、涙がほほを伝う!静寂!!

静寂に包まれた世界
静寂!降り注ぐ柔らかい朝暘は長く続く。
五体投地礼で祈りを捧げながらコルラ巡礼に出発する牧民。

私も巡礼に出向く
一人のチベット人ポーターを雇い入れ、念願の神山・カイラスへのコルラ巡礼に向かう。
酸欠で心臓はドクドク波打ち、呼吸は激しく酸素を要求する。
休み休み一歩一歩…。

巡礼の遊牧少女に会う
何とも言えない笑顔をいただいた!心が洗われる!快くモデルにもなってくれた。
そして前に進んでいった。私は追いつけない。

またまた出会う笑顔
この遊牧少女はトチャ(動物の血を顔に塗る)という日焼け止めの化粧をしていた。

超高原の遊牧民家族
巡礼路でテント生活をしている家族を紹介されて会う。テントの中でゆっくり休ませてもらった。

高原の美人奥さん
なんと!美人な奥さんだった。
温かいバター茶やツァンパをご馳走になった。

カイラス北面
すばらしい光に包まれる!

ディラプクゴンパから見るカイラス北面の雄姿
ようやくに、標高5,210メートルのディラプクゴンパに着く。
標高6,656メートル。純粋な氷柱のように屹立するカイラス!!
雲雲を従え、宇宙色の天空に神々しい。今 ”私の目の前にある”

ゴンパの僧とポーター
僧とポーターにかこまれて記念写真。
ここで寺に宿泊を請い、神山の裾野でゆっくり休ませていただく。(しかし酸欠でようよう眠れない…!)

雲出る聖山カイラス
このカイラス(標高6,656メートル)は仏教をはじめとして、古くからボン教,ヒンズー教など多くの信者が詣でる神山であり、もちろん登頂は何人も許されない。呼び名もカイラスを始めとしてカンリンポチェ・神山・須弥山などなど。

紺碧の空にグゲ古城遺跡
一度衰微したチベット仏教再出発の地と言われる地グゲ。王宮として作られた砦。ここ、人里離れた辺境の地まで文革の破壊の手は伸びた。破壊の凄さの見本のようだ。今は荒涼とした風景だ。しかし、わずかに残された壁画は絶品を極める。なんとも残念だ。

グゲ古城の管理案内人
案内を頼んでいろいろと話すと、案内人はチベット大学美術系の卒業生だった。私は客員教授で今回取材に来たのだと話すと親切に案内してくれた。

破壊されたグゲ遺跡
文革で蜂の巣のようになった破壊の跡。14~15世紀の栄華を想う。
カイラス巡礼の後遺症、酸素を摂ろうと激しい呼吸が続き咽に炎症、マスク姿の自分である。

ドウンカルの石窟遺跡群
ピャン・ドウンカルの石窟遺跡群。こちらは11世紀前後の栄華。
同じく、破壊と風化が激しい。
何処からかゆっくりと白馬が現れた。かつての栄華…を想う。